保釈の種類

1 保釈の種類

保釈には、権利保釈(刑訴法89条)、裁量保釈(刑訴法90条)、義務的保釈(刑訴法91条)の3種類があります。

⑴ 権利保釈

刑事訴訟法89条は「保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。」と規定し、以下の場合を定めています。

① 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。

② 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。

③ 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。

④ 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

⑤ 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。

⑥ 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

権利保釈の場合には、上記の除外事由に該当しない限りは保釈を許さなければならないとされているため、除外事由に該当しなければ、いわば被告人の権利として保釈が認められるものといえます。

⑵ 裁量保釈

刑事訴訟法第90条は「裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。」と定め、権利保釈の要件を満たさない場合であっても裁判所の裁量によって保釈が許可される場合を規定しています。

⑶ 義務的保釈

勾留が不当に長引いたときに保釈されるもの(刑事訴訟法91条)ですが、実務上義務的保釈が行われることはほとんどありません。

2 保釈の請求は弁護士へ

特に裁量保釈の場合、裁判所に保釈を許可してもらうためには、保釈許可に向けた適切な主張をしていくことが重要ですので、保釈請求をお考えの際には、保釈に詳しい弁護士に依頼をするようにしましょう。

交通事故の際の弁護士費用特約

1 弁護士費用特約の確認

交通事故に遭った時、加入している保険に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士に相談や依頼をした場合の弁護士費用を保険会社が負担してくれる場合があります。

交通事故に遭ってから確認するのではなく、現時点でご自身が加入している保険に弁護士費用特約が付いているのか否かを確認しておくことは重要なことですし、もし、加入していないのであれば、万が一に備えて加入することも検討されてみてはいかがでしょうか。

2 弁護士費用特約とは

弁護士費用特約とは、任意保険に付随してなされる特約の一つで、交通事故の被害者が弁護士に相談や依頼をする場合に、弁護士費用を保険会社が負担してくれるというものです。

一般的に300万円という上限が定められていますが、この範囲内であっても弁護士費用を自己で負担しなくてよいというのは、弁護士に相談や依頼を検討している人にとっては確認しておくべきものと言えるでしょう。

3 弁護士費用特約の確認方法

保険会社の多くは、販売する自動車保険に弁護士費用特約を付けています。

ご自身の加入している保険に弁護士費用特約が付いているかは、保険証券の特約事項欄等の記載によって確認できます。

また、不安な方は一度保険会社に連絡してご自身の保険内容を聞いてみると良いでしょう。

また、弁護士費用特約が付いている場合でも、各保険会社によって内容が異なることがあるため、加入している保険に付随する弁護士費用特約の内容を一度しっかりと確認しておくことが大切です。

 

刑事事件の相談

1 早期対応が重要

刑事事件では、早期対応が特に重要になります。

身柄が拘束されているような事件では、早期に対応できず、身柄拘束の期間が無用に長引いてしまうと、職場関係や学校関係、家族関係において不利益を生じる可能性が高まってしまいます。

そのため、刑事事件においては、早期に対応することが、他の事件に比べても特に重要になるのです。

2 刑事事件を弁護士に依頼

刑事事件を弁護士に依頼する段階は大きく分けて3つあります。

⑴ 逮捕前の段階

この段階は、今後逮捕されるのか、それともされないのかまだ判断ができない段階です。

しかしながら、事件の内容によっては、被害者と早期に示談をして被害届を取り下げてもらう、被害者から被疑者を許すなどの言葉をもらっておく、などの対応をしておくことで、逮捕されないことや逮捕されたとしても不起訴の判断がなされることがあります。

起訴された場合でも、早期に示談しておくことで依頼者の利益になることもあります。

⑵ 逮捕後の段階

逮捕されて身柄が拘束されてしまうと、先に述べたような職場関係や学校関係、家族関係において不利益が生じる可能性が高まるため、身柄拘束からの解放に向けたより一層の対応が必要になります。

たとえば、示談交渉であったり、勾留に対する意見を出すなどして、依頼者がいち早く身柄拘束から解放されるための弁護活動を行います。

⑶ 起訴後の段階

起訴後、身柄が拘束されている場合には、まずは保釈請求をするなど当然身柄の解放を目指した弁護活動を行います。

その他、起訴前から続くものですが、示談交渉を行ったり、裁判所へ提出するための証拠資料を作成したりします。

証人尋問や被告人質問に対する打合せ等も行いながら、被告人をサポートしていきます。

3 いずれも早期対応が重要

上記の各段階のいずれであっても、刑事事件においては早期の対応が重要になることに変わりはありません。

刑事事件でお困りの際には、ぜひ一度弁護士法人心までお早めにご相談ください。

交通事故の通院交通費の負担

1 交通事故の通院交通費

交通事故で怪我をしてしまった場合、病院で治療するときに必要となる治療費については、基本的に加害者に対して請求することができます。

では、病院で怪我の治療をするために自宅から病院へ通院するための交通費は、請求することができるのでしょうか。

結論から言いますと、自宅から病院へ通院するための交通費、すなわち通院交通費は、基本的に加害者に対して請求することができます。

ただし、通院方法は種々ありますので、それぞれに特有の問題が生じる場合があります。

2 公共交通機関を使用する方法

交通事故後の通院に関しては、電車やバスなどの公共交通機関を利用される方が多くいらっしゃいます。

この場合には、基本的に、公共交通機関を使用して通院したときに実際にかかった費用を通院交通費として請求することができます。

3 自家用車を使用する方法

交通事故後の通院に際して、自家用車を利用するという場合も多く見られます。

自家用車を利用する場合には、通院に要したガソリン代を請求することができますが、実際に使用したガソリン代がいくらなのかを算出することは難しいという問題があるため、1キロメートルあたりの単価による計算によって算出されることが一般的です。

1キロメートルあたり15円が相場となっており、たとえば自宅と病院との距離が往復20キロメートルである場合には、15円×20キロメートル=300円が通院交通費として請求できる金額となることが多いでしょう。

4 タクシーを使用する方法

通院のためタクシーを利用する場合もあります。

タクシーを利用した場合、必ずタクシー代全額を請求できるわけではないということに注意が必要です。

怪我の状況がひどかったり、自宅や病院からの最寄りの駅やバス停が遠かったりするような、公共交通機関を使用することが困難である場合にタクシーの利用が相当であるとして、タクシー代が通院交通費として認められる可能性があります。

5 交通事故に詳しい弁護士に相談を

通院交通費についてお話しましたが、その他にも通院交通費として認められるものや認められないもの、また上で述べたものの例外もありますので、交通事故の通院交通費についてご不明な点がある場合には、交通事故案件に詳しい弁護士にご相談いただくのが良いかと思います。

私が所属する弁護士法人心では、交通事故を集中的に取り扱う弁護士がお客様のお悩みに寄り添ってサポートさせていただいておりますので、お悩みの際には弁護士法人心までお気軽にご相談ください。

弁護士に依頼する際の本人確認書類

1 本人確認手続き

弁護士に依頼をする際に、ご本人様の確認を求められることがあります。

この本人確認は、相手方等からお金を預かり依頼者様へお渡しするといったことが日常的に行われる弁護士の業務の性質上、お金の流れを適切に把握する必要があるという理由で行われています。

2 顔写真付きの本人確認書類

本人確認のために提示を求められることがある物として代表的なものが、運転免許証です。

運転免許証の顔写真と実際のお顔を見比べて本人確認が行われることがあります。

また、同じ確認の仕方として、運転免許証の代わりにパスポートをご提示いただくこともあります。

いずれも顔写真が付いているという点が大きな特徴です。

3 顔写真付きでない本人確認書類

一方、顔写真の付いていない書類で本人確認を行う場合もあります。

たとえば、住民票や印鑑証明書等を用いて行うことがあります。

その他にも、健康保険証や年金手帳などで本人確認が行われる場合があります。

4 丁寧にご案内します

弁護士法人心では、弁護士に依頼をして、本人確認が必要になった時にどのような資料を準備しておけば良いかを丁寧にご案内させていただいておりますので、安心してご相談ください。

債務整理の引き直し計算が発生する理由

1 利息制限法と出資法・貸金業法での上限金利の違い

もともと利息制限法と出資法・貸金業法とでは上限金利が異なっており,出資法・貸金業法の上限金利の方が,利息制限法の上限金利よりも高く設定されていました。

2 グレーゾーン金利の発生

そして,利息制限法では上限金利を超えても罰則がなかったため,多くの貸金業者は,罰則のある出資法の上限以内の金利で貸し付けを行っていました。

この上限金利の差が,一般的にグレーゾーン金利と呼ばれています。

3 出資法・貸金業法の改正。上限金利の統一へ

2010年6月に出資法と貸金業法が改正され,上限金利が引き下げられました。

4 グレーゾーン金利で払いすぎたお金は戻ってくる

最高裁は,利息制限法の上限金利を超えて利息を支払った場合には,その支払った金額は元本に充当されるとし,当事者間における合意があってもその旨は変わらないとの判断をしました。

したがって,利息制限法の上限金利を超える部分すなわちグレーゾーン金利で払いすぎたお金は戻ってくるのです。

そして,いくらの金額が戻ってくるのか,いくら借金が減るのかということを改めて計算し直すことを,引き直し計算と呼んでいます。

ご自身が支払ったお金が戻ってくる可能性があるのか,借金が減る可能性があるのか,一度弁護士にご相談いただくと良いかもしれません。

 

非弁行為 報酬を得る目的とは

1 非弁

前回のブログでも解説しましたが,非弁とされる要件は次のとおりです。

⑴ 弁護士又は弁護士法人でない者

⑵ 法律事件に関する法律事務を取り扱うこと

法律事件に関する法律事務の取扱いを周旋すること

⑶ 報酬を得る目的があること

⑷ 業としてなされること

今回のブログでは,前回に引き続き,⑶報酬を得る目的があることについて解説します。

2 報酬とは

前回のブログで,非弁は報酬を得る目的をもつ目的犯的性格を有すると説明しました。

それでは,ここでいう報酬とはいったい何のことをいうのでしょうか。

金銭に限定されるのでしょうか,それとも接待のようなサービスも報酬とされるのでしょうか。

⑴ 報酬とは具体的な法律事件に関して,法律事務取扱いのための主として精神的労力に対する対価をいい,現金に限らず,物品や供応を受けることをも含まれる。とされています。

したがって,報酬とは,単純に金銭だけではなく,物を受け取ることや接待を受けることも含まれていると理解することができます。

⑵ また,報酬は,金額の多少や名称の如何を問いません。

つまり,少ない金額であっても,報酬とは異なる表現をしたとしても,本要件の報酬に該当するとされる場合があるのです。

⑶ さらに,報酬を受けることについては,事前にそのような約束をした場合だけでなく,途中や解決後に謝礼があることが通例であるということを知っていてそのような謝礼があることを予期していた場合も報酬を得る目的があったということを妨げられません。

⑷ 報酬を得る目的があること,あったことが要件ですから,実際に報酬を得ているかどうかは非弁の成立には影響がありません。

3 終わりに

前回から引き続き,非弁について解説しました。

非弁行為は,依頼者の正当な利益を実現することに対する大きな妨げになる行為です。

弁護士としては,非弁行為をする者から依頼者を守るとともに,自らも非弁行為を行う者に巻き込まれることのないよう,注意して業務を行う必要があるでしょう。

本日のブログは以上になります。

非弁に注意

1 非弁とは

非弁とは,弁護士又は弁護士法人でない者が,報酬を得る目的で訴訟事件,非訟事件及び審査請求,異議申立て,再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事務に関して鑑定,代理,仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い,又はこれらの周旋をすることを生業とすることをいいます(弁護士法72条参照)。

弁護士法では,弁護士又は弁護士法人でない者が上記の行為を行うことを原則禁止し,違反者に対しては,2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処するとしています(弁護士法77条参照)。

2 なぜ非弁行為が禁止されるのか

弁護士法が,非弁行為を禁じているのは,弁護士のように厳格な資格要件をクリアし厳正な規律に服すべきなどと様々な措置が取られている資格者以外の何ら規律に服しない者が,みずからの利益のためにみだりに他人の法律事件に介入することを放置すると,当事者その他関係者らの利益を損ね,ひいては法律秩序を害することにもなりかねないためです。

3 非弁とされる要件は

非弁とされる要件は以下のとおりです。

⑴ 弁護士又は弁護士法人でない者

⑵ 法律事件に関する法律事務を取り扱うこと

法律事件に関する法律事務の取扱いを周旋すること

⑶ 報酬を得る目的があること

⑷ 業としてなされること

このうち,今回のブログと次回のブログにおいて,⑶の報酬を得る目的があることの要件を解説します。

4 報酬を得る目的があるとは

非弁とされる要件の一つとして,報酬を得る目的があることが必要とされます。

つまり,非弁は,目的犯的な性格を有するものといえます。

資格や規律に服することなく何らの保証もないにもかかわらず,その活動に対して対価を得ることの不当性が,本要件が設けられた理由の一つとなります。

本要件により,報酬を得る目的がなければ非弁とされることはありませんので,たとえばまったくの無料で奉仕するような場合には非弁とはならないと考えられます。

報酬を得る目的については,次回のブログでも触れようかと思います。

本日は,以上となります。

弁護士法人心千葉法律事務所の開設

1 弁護士法人心千葉法律事務所の開設

私たち弁護士法人心は,千葉県に弁護士法人千葉法律事務所を開設いたしました。

弁護士法人心千葉法律事務所のサイトはこちらです!

千葉県では,弁護士法人心柏駅法律事務所に次いで2つ目の事務所開設となります。

新たに開設した弁護士法人心千葉法律事務所は,千葉駅北口から徒歩1分という駅近に事務所を構えておりますので,お越しいただきやすいかと思います。

弁護士法人心千葉駅法律事務所へのアクセスはこちらから!

千葉県やその周辺にお住いの方々にとってよりいっそうご利用いただきやすい環境を整えてまいりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

2 コロナ対策

連日,1000人規模でコロナウイルス新規感染者が増えています。

弁護士法人心では,コロナウイルス感染防止対策を徹底しております。

事務所にご来所いただかなくても,電話やテレビ電話等で相談や打合せ等を行えるよう環境を整えておりますので,弁護士に相談したいけれど事務所に行くのはコロナウイルス感染のリスクもあるからやめておきたいという方でも是非安心してご相談ください。

コロナウイルス早期終息を祈るばかりですが,コロナ禍の中であってもご依頼者様の力になれるよう鋭意努力しておりますので,今後ともどうぞよろしくお願いします。

コロナウイルス対策2

コロナウイルス対策関連の規制が徐々に緩和されている中で,感染者数がやや微増しており,今後の第2波を心配しているところでございます。

繁華街にある飲食店などの若い層が出入りする場所で再び感染が増えているようです。

感染が落ち着いてきたとはいえ,まだまだ油断は禁物ですね。

弁護士法人心では,引き続き職員のマスク着用を徹底しております。

全国各地で梅雨入りのニュースを聞き,日本特有のじめじめとした蒸し暑い時期となりますが,少しでも自分たちの感染リスクを減らし,お客様に安心してご相談いただけるよう努めております。

また,ご相談のため県内の事務所間を移動することがある弁護士のために,一人ひとりにアルコール入りの除菌シートを配布しています。

移動時の感染リスクもありますので,コロナ対策の一環として重要かと思います。

また,出社する職員の体温測定も継続して毎日行っております。

各職員は,毎朝出社前に自身の体温を計測し,事務所に報告しています。

コロナウイルス対策を行う前はこのような朝の習慣はありませんでしたが,自分の普段の健康管理のためにもコロナ終息後であっても続けていきたい習慣となりました。

各地で脅威となっているコロナウイルスですが,終息した後には,コロナウイルス対策で得られた良い面を今後の生活に役立てていけるようにしたいものです。

コロナウイルス対策

コロナウイルスによる緊急事態宣言が全国的に解除されたことで,これまで営業を自粛していた飲食店やトレーニングジム等が営業を開始しています。

私が勤務する名古屋市でも飲食店の再開が目立っており,自粛からの解放ムードの中で新たに感染者が増えることがないよう祈るばかりです。

今回のブログでは,私が所属する弁護士法人心で行っているコロナウイルス対策についてご紹介します。

1 弁護士・スタッフのマスク着用

コロナウイルス感染の一番の原因経路となるのが飛沫感染と言われています。

弁護士法人心では,弁護士・スタッフ全員がマスクを着用し,飛沫感染防止を徹底しています。

また,万が一マスクを着用していない場合には接客業務を行わせないよう配慮しております。

2 アルコール消毒

所内で人が触れるであろう様々な場所をアルコール消毒しています。

お客様が入られる相談室は特に気を配って消毒を行っています。

ドアノブやデスク,キーボードなどを清潔に保つことで,コロナウイルス対策のみならず,気持ちよく業務ができる環境としています。

3 手指消毒

外出から部屋へ戻ってきたときに手指消毒を行っています。

また,人が触った箇所を触れたときなどにも手指消毒を行うよう積極的に指導しています。

お客様が入られる相談室にも手指消毒用の液剤を設置しております。

4 毎日の体温測定

弁護士・スタッフともに毎日体温測定をするようにしています。

職員一人ひとりの健康管理への意識を高めるように指導しております。

5 その他

会議に出席する人数を分散したり,テレワークを導入しております。

 

弁護士法人心では,以上に挙げた対策の他にも,職員がコロナウイルスに感染することのないよう徹底した対策を行っています。

緊急事態宣言が解除された今でも対策を継続し,少しでもお客様に安心してご相談していただけるような環境を整えられるよう努めておりますので,法律問題でお悩みの際には,是非一度,弁護士法人心までご相談ください。

本日のブログは以上です。

 

自己破産の手続きをお考えの方へ

前回のブログでは,個人再生の活用についてお話しました。

コロナウイルスに関する緊急事態宣言は解除されましたが,未だ油断はできない状況です。

借金やローンの返済に困っている人もまだ多くいらっしゃることでしょう。

今回のブログでは,自己破産についてお話します。

自己破産とは,借金苦の時に一番に思い浮かべる手段であると思いますが,実際に自己破産にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

1 自己破産のメリット

自己破産の一番のメリットは,裁判所からの免責許可決定により,これまでの借金をゼロにすることができることです。

ご自身の債務を減らす方法としては,自己破産の他に任意整理や個人再生などの手続きがありますが,任意整理も個人再生も借金をゼロにするものではないため,借金をゼロにすることができるということが自己破産のメリットとして挙げられます。

2 自己破産のデメリット

⑴ 就労できる職業の制限

自己破産の破産手続開始決定を受けると,就労することができない職業があります。

⑵ 財産の処分

不動産や自動車といった価値のある資産は,破産手続きの中で処分されることになります。

⑶ クレジットカードの利用不可

信用情報機関に情報が記録されるため,クレジットカード会社の審査を通ることが難しくなります。

3 自己破産でお困りの方は詳しい弁護士に相談を

このように自己破産には借金をゼロにできるというメリットがある一方で,様々なデメリットもあります。

また,自己破産に限らず債務を減少させる手続きは,複雑で高度な知識が必要になることが多く,一般の方がご自身で手続きを行うことは簡単ではありません。

債務整理に詳しい弁護士に相談して,ご自身の状況に応じた手続きを取ることが重要といえるでしょう。

4 自己破産のご相談は弁護士法人心へ

弁護士法人心では,自己破産のご相談に対応させていただいております。

借金でお悩みの方は一度,弁護士法人心までご相談ください。

弁護士法人心の自己破産サイトはこちらをご覧ください。

 

個人再生の活用

1 新型コロナウイルスによる借金の返済苦

新型コロナウイルスの影響により,勤めている会社が倒産した,給与がカットされた等というニュースや話をよく耳にするようになりました。

収入がなくなったり,減ってしまったりすると,これまで返済することができていた借金やローンの返済が滞ってしまうこともあるでしょう。

借金を返すことができず,このままでは破産するしかないと思い悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

新型コロナウイルスの影響で借金が返済できない場合の対応方法についてはこちらもご覧ください。

2 個人再生という手段

借金を返済することができない場合,借金を整理するための法的な手続きとして最初に思い浮かべる手段が自己破産だと思います。

もっとも,借金を整理する方法は,自己破産だけに限りません。

借金を整理するために裁判所を介して行う手続きとして,個人再生というものが存在します。

3 個人再生の活用

⑴ 個人再生とは

個人再生とは,裁判所を通じた手続きによって借金の金額を減額し,減額した金額を3~5年かけて分割弁済することをいいます。

⑵ 個人再生のメリット

個人再生には,ローンの残っている自宅を残しつつ借金の整理をすることができるというメリットがあります。

⑶ 詳しい弁護士に聞きましょう

個人再生を考えている場合であっても,借入状況や収入状況により,本当に個人再生が適しているのか,自己破産をした方が良いのではないか,その他の手段は考えられないか悩ましいことがあります。

お一人で悩まず,詳しい弁護士に相談するのが良いでしょう。

4 個人再生のご相談は弁護士法人心へ

弁護士法人心では,個人再生のご相談を受けております。

個人再生をお考えの方は一度,弁護士法人心までご相談ください。

弁護士法人心の個人再生専門サイトはこちら

 

ブラックリストとは

お借入れについてのご相談をお受けすると,「借金の返済で延滞したり,自己破産したりするとブラックリストにのってしまい,いろいろ不利益があるのではないか」というご心配をされる方にお会いします。

 

「ブラックリスト」というものが実際はどのようなものか分からないため,ご不安からお借入の整理の手続をする決断ができないという方がとても多く,本来であれば早目にお借入の整理をされるべきだった方が,そのタイミングを逃してしまうという残念な事例も少なくありません。

 

そこで,できる限り正確な知識をおもちいただくため,今回はこの「ブラックリスト」というものについてご説明いたします。

 

実は,結論から申し上げると,お借入に関して「ブラックリスト」というものは存在しません。

これにあたるものとしては,信用情報というものが存在します。

信用情報というのは,金融機関等が,信用情報機関という機関に登録している,お借入をしている方の借入情報のことです。

 

例えば,ある方が,信用情報機関に登録している業者からお借入をすると,その方の信用情報が,業者を通じて登録されることになります。

信用情報には,どこの業者からいくら,どのような契約内容で借入れたか, 月々の返済状況はどのような状況か,というような情報が,業者ごとに記載されていきます。

信用情報機関に登録している業者は,信用情報をみることができますので,例えばある方から借り入れの申し込みをされた業者は,その方の信用情報を確認することで,その方に融資するかどうかの判断の参考にする,ということになります。

以上からお分かりのとおり,登録業者から借り入れをされればその時点で信用情報には登録されることになりますから,信用情報に登録されればお借入ができなくなるわけではありませんし,月々の支払で未納があったからといって,追加の借入が必ずしもできなくなる,という関係にもありません。

 

主要な信用情報機関は3つあり,それぞれに消費者金融業者,信販会社,銀行等が登録しており,ほとんどの業者に対する借入情報は,3つの機関の信用情報を取り寄せると分かります。

 

お借入等についてご心配のある方は,一度,弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人心は,名古屋駅近くに事務所を構えており,ご相談しやすい環境を整えております。

債務整理をお考えの方はこちら

WEBマーケティング

現在,業界,職種の垣根を越えて,インターネットを駆使したWEBマーケティングの重要性が謳われています。

WEBマーケティングは,数あるマーケティングの手法の一つですが,現代社会においては,チラシ配布や挨拶巡りといった他のマーケティング手法に比べて圧倒的に集客効果が期待できる手法といえるのではないでしょうか。

WEB上では,チラシ等と異なり,簡単に全国の閲覧者に対して自社が販売したい物・サービスの情報を配信することができます。

また,閲覧者は配信された情報をもとにして物・サービスを購入するか否かを判断し,購入しようとするときには,WEB上で即座に申込ができます。

このようにマーケティングの中でも特に重要度の高いWEBマーケティングですが,このWEBマーケティングを成功させるためには,様々な要素が必要です。

WEBマーケティングを成功させるための要素として最も重要であると言われているのが,SEO対策です。

SEOとは,Search Engine Optimaizationの略称であり,日本語訳すると,検索エンジン最適化を意味し,インターネット検索結果でWEBサイトを上位表示させたり,より多く露出させるための一連の取り組みのことを言います。

SEO対策に取り組むことで,WEBサイトが上位表示され,WEBサイトが上位表示されることで,WEBサイトへの流入者が増加し,サイト内を閲覧してもらえる回数が増えるのです。

WEBサイトを上位表示し,流入者を増やした上で,流入者が実際に問合せや申込等を行うか否かについては,WEBサイト内のコンテンツ構成やデザイン性も重要な要素になってきますが,その前段階としてそもそもWEBサイトを閲覧してもらえるか否かという点において特にSEO対策は重要になります。

SEO対策の主な目的は,簡単にいうと,狙ったキーワードで検索された時にサイトを上位表示しようということです。

ここで狙ったキーワードとは,たとえば名古屋にある弁護士事務所であれば「弁護士 名古屋」などが考えられます。

SEO対策の具体的な手法については今後のブログでもお話します。

本日のブログは以上です。

 

契約の電子化②

1 契約の電子化

従来,契約は紙媒体を使用して行われることが一般的でした。

一部の契約を除き,契約は口頭でも成立しますが,後に争いになった場合の証拠とするために紙媒体を用いて契約が取り交わされてきました。

もっとも,紙媒体による契約では,遠隔地にいる相手方との契約に郵送費用や時間がかかってしまうというデメリットがあります。

契約の電子化はこのようなデメリットを解消するものにもなりえます。

2 契約の電子化によるメリット

⑴ 作業の効率化

先に述べたように紙媒体による契約では,遠隔地にいる相手方と契約を締結しようとする場合,一方の当事者が契約の内容を紙媒体に印刷し,署名・押印したうえで相手方当事者に契約書を郵送し,署名・押印をしてもらって返送を受けるという処理が必要になります。

上記のような工程の中で,郵送のために必要な印刷費用,人件費が必要となります。

また,郵送でのやり取りを基本とするため,契約の成立まである程度期間を要するというデメリットがあります。

契約が電子化されると,紙媒体への印刷や郵送作業は不要となり,費用も時間もかかりません。

契約書の作成は,パソコンなどを用いているのにも関わらず,取り交わしについては現実の郵送方法をとらなければならないとなると上記のような問題点が生じますが,契約の取り交わしが電子化されていれば作業の効率向上に繋がります。

⑵ 印紙代の削減

一般に契約書等を作成する際には印紙代が必要になることがあります。

契約の電子化によれば印紙代を不要とすることができると考えられるので,この点も契約の電子化のメリットと言えるでしょう。

⑶ 災害等への対策

紙媒体によって取り交わされる契約の場合には,証拠として契約書を保管しておく必要があります。

契約書は,基本的には厳重に保管されるものですが,自然災害や戦争,テロによって失われてしまうこともリスクの一つとして考えられます。

契約の電子化によれば,そのような場合であってもデータが保管されていれば失われてしまうというおそれがありません。

3 終わりに

以上のように契約の電子化には,紙媒体にはない様々なメリットがあります。

弁護士業界でも,電子契約書に触れる機会は今後ますます増えると言えるでしょう。

電子契約について知っておく必要は高いと思われます。

本日のブログは以上です。

 

契約の電子化

2019年10月1日から,消費税が増税されました。

従来の8%から10%への増税により,9月の間に駆け込み消費をした消費者の方も多いのではないでしょうか。

私もその一人でしたが,10月の増税後,蓋を開けてみれば各社が消費者離れを防止するため,各種のサービスを行っており,増税前よりお得に購入できる場合もしばしば見かけます。

増税後,クレジットカードや電子マネーでの支払いに2%や5%の還元がなされるというチラシを見かけることが増えました。

東京オリンピックを見据え,海外からの観光客の決済簡便化を図ろうとする政府の政策ともあいまって,決済における非現金化の流れが進んでいます。

今年,一躍有名になったのはやはりPaypay でしょう。

とある日経紙の今年のトレンドランキングでもワークマンやタピオカなどと共にPaypayが上位にランキングされていました。

携帯電話の電池残量に依存するところや,回線混雑の影響を受けやすい(わざわざPaypayが使えるスーパーに買い物に行ったのに,回線混雑の影響で支払いをすることができず,やむを得ず現金で支払いを行ったという事案も散見されました。)というデメリットもありますが,支払いの簡便さやポイント還元等のメリットから今やPaypayを取り入れていない人を探す方が難しいほどに大流行しました。

このように支払段階での電子化が近年急速に進んでいる中で,私たち弁護士業界においても電子化が進みつつあります。

その一つが契約の電子化の流れです。

従来,契約は紙媒体を使用して行われることが一般的でした。

一部の契約を除き,契約は口頭でも成立しますが,後に争いになった場合の証拠とするために紙媒体を用いて契約が取り交わされてきました。

もっとも,紙媒体による契約では,遠隔地にいる相手方との契約に郵送費用や時間がかかってしまうというデメリットがあります。

電子契約ではこのようなデメリットはなく,瞬時に契約を交わすことができ,また,電子証明などを用いることによって証拠化も行うことができます。

まだ,一般的な認知度は低いですが,今後,電子契約が普及することは間違いないでしょう。

電子契約における本人確認や証拠化については改めてブログを書くことにいたします。

本日のブログは,以上です。

 

販売代理店契約④

1か月にわたり公開してきた販売代理店に関するブログも今回が一応の最終回です。

今回の弁護士ブログでは,販売店契約を締結する際に注意すべきポイントについてご紹介します。

 

1 独占性

一般的に,販売店と大元の事業者が販売店契約を締結する際には,独占性の条項が入れられることがよくあります。

ここで,独占性とは,販売店が,大元の事業者が販売店に対して販売したある製品を独占的に第三者に販売することができるということを意味します。

この独占性の条項があることによって,販売店は安心して当該製品の販売に注力することができます。

なぜなら,販売が独占的でなければ結局のところ当該製品に対して激しい価格競争が生じるおそれがあるために,大元の事業者から当該商品を購入して第三者へと販売し,その差額で利益をあげるという経済活動に支障を来す可能性があるからです。こうなってしまっては,販売店が販売店契約を締結するインセンティブが失われてしまうため,販売店契約には,独占性の条項が入れられることが多いのです。

2 最低購入義務

1で紹介した独占性の条項とあわせて入れられることが多いのが最低購入義務に関する条項です。

独占性は,販売店に利する部分が大きいものですが,この独占性の条項だけでは,仮に販売店が第三者に対して全く製品を売れず,在庫ばかりが増え,以降大元となる事業者から全く製品を購入しなくなった場合に,大元の事業者は独占性の条項があるために,他店と販売店契約を締結することもできず,結局のところ製品を全く売ることができなくなるという事態が生じてしまいます。

そこで,大元の事業者としては,販売店が大元の事業者からこれだけは必ず購入するといった最低購入義務を定め,上記のリスクに対応しようとするわけです。

独占性の条項と最低購入義務に関する条項とは必ずしも契約内容に双方を入れなければならないというものではありませんが,販売店契約を締結するにあたっては,慎重に検討するべき条項の一つといえるでしょう。

販売店契約が締結されるのは,名古屋のような都市部に限りません。

身近なものではないかもしれませんが,契約の肝について知っておくことは有用であると考えられます。

本日のブログは以上になります。

 

販売代理店契約③

前回までのブログでは,販売店契約と代理店契約の根本的な違いや,その他の違いをご説明しました。

本日のブログでは,販売店契約と似ているが異なる契約の例として,フランチャイズ契約をご紹介します。

1 フランチャイズ契約とは

フランチャイズという言葉は,一般の方でもよく耳にする言葉であると思います。

特によく耳にするのが,コンビニエンスストアのフランチャイズ契約です。

私が勤務する名古屋にも非常に多くのコンビニエンスストアがありますが,その中にもフランチャイズとして経営されているコンビニエンスストアは数多くあります。

一般的にフランチャイズ契約とは,本社であるフランチャイザーと加盟店であるフランチャイジーとの間で締結される契約であり,フランチャイジー(加盟店)は,フランチャイザー(本社)から商品を買い取り,その後,第三者である客へ当該商品を販売しています。

上記の流れは,前回までにご紹介した販売店契約と似ているものです。

2 販売店契約とフランチャイズ契約との違い

しかし,通常は,販売店契約とフランチャイズ契約とは別の契約体系であるとされています。

販売店契約の場合,販売店は,大元となる事業者から製品を購入して第三者に販売していくものの,その他の部分では自由であることが多いでしょう。

他方で,フランチャイズ契約の場合には,店舗デザインや店員の服装などもフランチャイザー(本社)の意向によって定められている場合が多いです。

たとえば,コンビニエンスストアでは,独立事業者であるフランチャイジー(加盟店)であっても,本社経営のコンビニエンスストアと同じ服装をしていますよね。

フランチャイジー(加盟店)にとっては,本社のブランド力,仕入れ力を利用することができますが,これらの場合には,フランチャイズ料をフランチャイザー(本社)に対して支払っている場合がほとんどです。

3 おわりに

本日は,販売店契約と似て非なる例としてフランチャイズ契約をご紹介しました。私の弁護士ブログの読者の皆さんが普段利用するコンビニエンスストアもここで紹介したフランチャイジー(加盟店)である場合があるかと思います。どのような経営,運営をしているのかという観点から見てみるのも面白いかもしれませんね。

販売代理店契約②

本日のブログは,前回の販売代理店契約に関するブログの続きです。

前回のブログでは,販売代理店契約とは,厳密には販売店契約と代理店契約とに区別されること,販売店契約と代理店契約との根本的な違いなどについてご説明しました。

販売店契約と代理店契約との違いは,他にもあります。

1 販売店契約と代理店契約との在庫リスクの違い

まず,販売店契約では,販売店が大元の事業者からある製品を購入し,その後に第三者に対して販売をするわけですから,購入した製品が売れなかった場合の在庫リスクを販売店が負うことになります

他方,代理店契約の場合,実際の売買契約の当事者は,大元の事業者と第三者になり,代理店は大元の事業者から製品を購入する義務などを負わないため,在庫に関するリスクを負いません。

もっとも,在庫に関するリスクについては,第三者から製品の申し込みがあった場合に,申込数の分だけ,大元の事業者と販売店の間で購入をするとして,在庫リスクを軽減する手法もあります。

2 支払リスク

販売代理店契約の場合,上記のとおり,販売店と第三者との間で売買契約が締結されますから,製品の対価の支払いは,第三者から販売店に対して行われます。

そのため,第三者が製品を購入したものの,製品の代金を支払うことができないといった支払に関するリスクは販売店自身が負うことになります。

他方で,代理店契約の場合には,直接の契約関係は,大元の事業者と第三者との間で締結されるため,製品の代金支払いに関するリスクを負うのは代理店ではなく,大元の事業者となります。

3 代金の決定

販売店契約の場合には,販売店が第三者に製品を売るため,代金の決定は販売店自身が行います。

他方で,代理店契約の場合には,あくまでも大元の事業者と第三者との間の契約になりますから,代金の決定は,大元の事業者が行うことになるでしょう。

4 おわりに

本日のブログは以上になります。

私が弁護士業務を行う名古屋でも販売代理店契約という言葉を耳にする機会は多くあります。

両者のメリット,デメリットを比較し,取引の実態に即した適切な契約を締結することが肝要でしょう。