1 契約の電子化
従来,契約は紙媒体を使用して行われることが一般的でした。
一部の契約を除き,契約は口頭でも成立しますが,後に争いになった場合の証拠とするために紙媒体を用いて契約が取り交わされてきました。
もっとも,紙媒体による契約では,遠隔地にいる相手方との契約に郵送費用や時間がかかってしまうというデメリットがあります。
契約の電子化はこのようなデメリットを解消するものにもなりえます。
2 契約の電子化によるメリット
⑴ 作業の効率化
先に述べたように紙媒体による契約では,遠隔地にいる相手方と契約を締結しようとする場合,一方の当事者が契約の内容を紙媒体に印刷し,署名・押印したうえで相手方当事者に契約書を郵送し,署名・押印をしてもらって返送を受けるという処理が必要になります。
上記のような工程の中で,郵送のために必要な印刷費用,人件費が必要となります。
また,郵送でのやり取りを基本とするため,契約の成立まである程度期間を要するというデメリットがあります。
契約が電子化されると,紙媒体への印刷や郵送作業は不要となり,費用も時間もかかりません。
契約書の作成は,パソコンなどを用いているのにも関わらず,取り交わしについては現実の郵送方法をとらなければならないとなると上記のような問題点が生じますが,契約の取り交わしが電子化されていれば作業の効率向上に繋がります。
⑵ 印紙代の削減
一般に契約書等を作成する際には印紙代が必要になることがあります。
契約の電子化によれば印紙代を不要とすることができると考えられるので,この点も契約の電子化のメリットと言えるでしょう。
⑶ 災害等への対策
紙媒体によって取り交わされる契約の場合には,証拠として契約書を保管しておく必要があります。
契約書は,基本的には厳重に保管されるものですが,自然災害や戦争,テロによって失われてしまうこともリスクの一つとして考えられます。
契約の電子化によれば,そのような場合であってもデータが保管されていれば失われてしまうというおそれがありません。
3 終わりに
以上のように契約の電子化には,紙媒体にはない様々なメリットがあります。
弁護士業界でも,電子契約書に触れる機会は今後ますます増えると言えるでしょう。
電子契約について知っておく必要は高いと思われます。
本日のブログは以上です。