債務整理の引き直し計算が発生する理由

1 利息制限法と出資法・貸金業法での上限金利の違い

もともと利息制限法と出資法・貸金業法とでは上限金利が異なっており,出資法・貸金業法の上限金利の方が,利息制限法の上限金利よりも高く設定されていました。

2 グレーゾーン金利の発生

そして,利息制限法では上限金利を超えても罰則がなかったため,多くの貸金業者は,罰則のある出資法の上限以内の金利で貸し付けを行っていました。

この上限金利の差が,一般的にグレーゾーン金利と呼ばれています。

3 出資法・貸金業法の改正。上限金利の統一へ

2010年6月に出資法と貸金業法が改正され,上限金利が引き下げられました。

4 グレーゾーン金利で払いすぎたお金は戻ってくる

最高裁は,利息制限法の上限金利を超えて利息を支払った場合には,その支払った金額は元本に充当されるとし,当事者間における合意があってもその旨は変わらないとの判断をしました。

したがって,利息制限法の上限金利を超える部分すなわちグレーゾーン金利で払いすぎたお金は戻ってくるのです。

そして,いくらの金額が戻ってくるのか,いくら借金が減るのかということを改めて計算し直すことを,引き直し計算と呼んでいます。

ご自身が支払ったお金が戻ってくる可能性があるのか,借金が減る可能性があるのか,一度弁護士にご相談いただくと良いかもしれません。