不起訴と無罪

「不起訴」と「無罪」は法的な意味で異なります。

不起訴は検察官が被疑者を起訴しないと判断することを指し、不起訴の理由には起訴猶予や嫌疑不十分が挙げられます。

起訴猶予とは犯罪の嫌疑が十分認められて、有罪の証明ができるにもかかわらず、起訴しない判断をする場合の理由とされ、嫌疑不十分は犯罪の嫌疑はあるものの、有罪の証明をするためには証拠が不十分であるために起訴しない判断をする場合の理由とされます。

一方で、「無罪」は裁判所が被告人に対して罪を認めないと判断するもので、提出された証拠が有罪を立証するには十分でない場合に判断されます。

不起訴は検察官が行い、裁判自体が開催されませんが、無罪の場合は裁判官が判断をします。

不起訴と無罪の主な違いは、判断者が異なり、不起訴は検察官、無罪は裁判官が判断を行うことです。

不起訴は裁判が行われず、無罪は裁判を経ての判断となります。

日本の司法においては起訴された場合の有罪率が100%に近い水準であるため、無罪を獲得するのは難しく、基本的には不起訴を目指す弁護活動が主流となります。

特に、医師や弁護士、教師などの資格喪失等の懸念がある場合には、不起訴を目指す弁護活動が重要とされています。